オリジナル小説サイト「渇き」

恋愛小説、純文学、エッセイを扱った小説家・佐倉愛斗オリジナルサイト

Essay

死んだ魚

←前のページ 目次 梅雨の合間の、夏の訪れを感じる晴れた日に、僕は両親と弟と一緒に東京の下町にあるお寺に来ていた。寺の庭先で雨水に濡れた紫陽花が日の光にきらきら光って、水たまりに映る青空が東京の喧噪を忘れさせてくれる。 今日は祖父の三回忌だ。 …

破局指輪

←前のページ 目次 次のページ→ 高校生のとき、付き合っていた彼氏とペアリングを買った。ショッピングモールの中に入っているロック調のアクセサリーショップで店員さんにサイズを測って貰って選んだ。必要な肉もないほど痩せた彼の指は僕の指より細くて、店…

ヤンキー少女の正義

←前のページ 目次 次のページ→ 「へそピアスは開けないの?」と尋ねたら「開けないよ。殴られると痛いから」と答えた彼女のことを、僕はやっぱり好きだと思った。 彼女とは中学三年生のとき、同じクラスだった。三年生になって最初の日、自己紹介で彼女は「…

いつだって今が1番

←前のページ 目次 次のページ→ 成人式を迎えたのは四年前だ。 僕の成人式は中学校単位で行われ、卒業ぶりに会う人がほとんどだった。というのも僕が中学三年生のときは携帯電話、スマートフォンではなくガラケーと今では呼ばれるタイプのものですら持ってい…

気ままに生きた日

目次 次のページ→ 電車に乗った。街まで一時間。初めて読む作家の詩集を開いて言葉を感じていた。片道で読み終えてしまった。余白が語るものが愛おしいと思った。 駅からつながるビルへ向かい、たまに行くセレクトショップで今まで買ったことのないブランド…

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