オリジナル小説サイト「渇き」

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020/かわりゆく

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幼い頃ってどうしてあんなにいろんなものが平気なのだろう。
ナメクジを飼ってみたり、バッタを釣ったり、ザリガニを捕まえたり。
今ではできない芸当だ。
 
ダンゴムシも、昔は大好きだった。
つっつくとコロンとまるくなり、それを手のひらで転がして遊んでいた。
体が広がると無数の細い足が天に向かってうじゃうじゃと動き出す。
そうはさせまいとまたつっついて丸めて遊んだ。
 
 
小学六年生のとき、ダンゴムシを飼う授業があった。
苦手なものは増えたけれど、ダンゴムシは平気だ。そう信じていた。
 
しかし結果として、僕はダンゴムシに触れなくなっていた。
 
 
人はできることを増やしながら成長していく。
けれど同時に、できなくなることも増えていくのだろう。
そしてそれを、老い、と呼ぶのかもしれない。
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