オリジナル小説サイト「渇き」

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016/不自由な昼

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 僕は高校二年生で中退している。病が原因だった。
 一年の途中から行けない日が増え、昼間、外を出歩くことが増えた。
 遊び歩いていたわけではなく、学校へ行く前に病院へ行き、飲食店で昼食を取ってから登校した。もちろん、制服姿で。
「制服を着た高校生がこんな時間にレストランにいるの?」という視線はいつも感じていた。
 責められるような、不良を見るような目。もしくは事情を察した哀れみの目。
 どちらも苦痛でたまらなかった。
 制服を着た昼は、果てしなく不自由だ。
 高校をやめて塾に入ってからも、私服とはいえこの若さで昼間出歩くことに抵抗があった。
「若者は学校へ行くものだ」という固定観念が聴こえてくるようだった。
 学校教育は、学校の外までも僕を縛っていた。
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